弊社は、1963年(昭和38年)に神戸電機(株)の自動車部品成形の依頼を受けて、長尾義博 前代表取締役が設立しました。創業当初から続いていた経済の高度成長の波に乗って弊社も順調に業績の方を上げてきました。しかし、1990年前後のいわゆるバブル崩壊を受けて、経営的にも技術的にも大きな方向転換を求められることになりました。
それまでは取引会社からの指示のもと、メーカーから材料を仕入れて、設計仕様書に従って製品を作り納品していました。全てに余裕があった高度成長時代にはよかったその方法も、1990年代以降プラスチック業界を取り巻く環境も劇的に変化し、変換の時を迎えねばなりませんでした。それまでとはまったく違う、まさに生き残りを賭けた競争の場となりました。求められる品質はより高いものとなり、価格面ではより一層のシビアな交渉をされることになりました。海外の安価な製品との戦いという新たな構造も起こってきました。
そのような条件を既存技術でもクリアすることはもちろんのことですが、積極的にこの状況を打破するためには、自らで考えた新しい工法、新しい技術の研究・開発が必要だと強く感じ、それを弊社の最重要項目として位置づけました。これが苦難の道への始まりでした。